LOCAL CO-CREATION PROJECT in 紀の川

NEWS/
CONTENTSお知らせ

ニュース コンテンツ メディア関係者はこちら

【最優秀賞受賞者インタビュー】国内初の液体ハーブ調味料で新しい感動体験をしてほしい 〜米もと農園〜

Local Co-Creation Project in 紀の川では、加工商品開発コンテストにて生産者とクリエイターによる4チームの中から2チームが選出され、実際に加工商品開発へと進みます。(加工商品開発コンテストに参加した4チームは、生産者応募総数14名、クリエイター応募総数75名の中から選出されています。)

最優秀賞受賞商品の「xherb(クロスハーブ)」は、普段食べ慣れたものもハーブとかけ合わせることで新しい感動を体験してほしいというコンセプトでの提案でした。
審査員の方からは「ネーミング自体もデザインもコンセプトを表現できていて、より魅力的なものにできていた」「ハーブ業界を盛り上げたいという生産者のシンプルでパワフルなメッセージに心を打たれた」といった高い評価を得ています。
今回は、加工商品開発コンテストにて見事に最優秀賞を受賞された米もと農園の米田基人さん、クリエイターの清水覚さんにインタビューを行い、受賞の喜びや商品開発時の裏話などに触れながら、今後の商品化に向けての展望などをお聞きしました。

 


−−受賞商品「xherb(クロスハーブ)」の着想はどういったところにありましたか。

清水:色々なハーブに「かける」ことで変化が生まれることと、「x」が変数として科学の分野でよく使われる言葉ということで米田博士のバックグラウンドを表すことから、xherb(クロスハーブ)のネーミングを着想しました。

 

−−国内初の液体ハーブ調味料の開発でしたが、商品の良さや特徴を伝えるためにこだわった部分はありますか。

清水:技術は開発済みでしたが、商品として打ち出す際の世界観を定義する必要がありました。研究室で生まれたことから「ラボ」っぽさを出しつつ、自然そのままのハーブを抽出していることも伝えるために、植物標本をモチーフにデザインしました。

 

−−今回初めて企画から商品化までの一連の流れに携わった訳ですが、実はここが一番大変だったという今だから話せる苦労話はありますか?

清水:スプレーの噴霧量がものによってバラバラで、最適なものを見つけるのにかなり苦労しました。ボトルはいいけど噴霧がいまいち、噴霧はいいけどボトルがいまいち、という状況で、とにかくたくさんサンプルを仕入れて実験しました。また、ハーブを用いたデザインでは、どうしても化粧品のように見えてしまうことが課題でした。

 


−−事務局のサポートが入る事で打ち合わせを進める際にプラスに働いた部分はありますか。

清水:ハーブということで女性が主なターゲットだったので、宮岡さんからコメントをいただけたこと、宮岡さんの友人にもモニターとして試していただけたことは大きくプラスに働きました。

米田:スケジュールが個人では先延ばしになりそうですが、事務局の管理もあり期限までに多くの事が進められました。チームの会議は生産者とクリエイターの2人構成よりは、第三者として事務局に入ってもらったことが意見交換時にいい効果がありました。マッチングした清水さんとの相性の良さはすべてをプラスに変えてもらえました。


−−
最優秀賞を受賞された時はどんな気持ちでしたか。

清水:過去にもこのような取り組みに参加してきて、受賞の有無に喜怒哀楽を感じることも経験してきました。こうしてマッチングできたことが最大の成果と思うようになり、受賞の有無はあまりこだわっていませんでしたが、米田さんが受賞を目指していたので今回の結果は本当に良かったと思います。

米田:他の生産者が新しい挑戦をしている中、当園はキャンプ時アイディアのブラッシュアップに注力していたので不安でしたが、選んでもらった時は本当に嬉しかったです。同時に市の認定ブランドとして名前負けしないように盛り上げていく責任を持たなくてはと身が引き締まりました。

 


−−コンテストの審査員からのコメントで印象に残っている言葉はありますか。

清水:試してわかる商品力のため、おいしかった、すごかった、という感想は素直に嬉しかったです。一方、地域の巻き込みが弱い点は他の発表と比較しても感じていたことで、改めて課題だと認識しました。また、この商品を広める人をもっと増やすべき、という指摘も最もだと思い、今後の改善事項としています。

 


−−コンテストに向けての取り組みの中で、新たな気づきや学びはありましたか。

清水:早く作って、早く試してもらい、早く改善する。PDCAをとにかく早く回すことが提案の質を上げることだと思いました。見てもらったり、使ったりしてもらわないと価値が分からないので、事業者側で抱え込まずに企画段階からユーザーを巻き込むことが得策でした。

米田:自分の農作物を加工して販売するという短期間で到底一人では出来なかった工程を、コンテストまでのスクールで底上げしてもらい、今回のプロジェクトで具体化できたと感じています。生産だけでなく、加工も販売も様々な角度から見た分析方法とその課題対策の過程は、とても貴重な経験でこれからの事業において非常に役立つと思います。またチームワークの大事さにも改めて気づかされました。


−−来年度の発売に向けてこれから商品化を進めていきますが、意気込みをお願いします。

清水:抽出することで、生のハーブの課題を解決することができるので、ハーブ農園を営む方みんなにメリットがあるプロダクトだと思います。この商品を通じてハーブをもっと一般的に、身近にしたい米田さんの思いに共感しており、これからも二人三脚で頑張っていきます。

米田:一緒にブランドを作っていく清水さん、これまで出会った仲間と共に、商品化への緊張感と共に気合十分です。ひとりでは成し得ないことを皆さんと作り込んでいきたいと考えています。

 


−−紀の川市の第一弾加工商品ブランドに認定されて販売されますが、商品を通して紀の川市のどんな魅力を伝えていきたいですか。

清水:農産品が豊富な紀の川市を広めたいです。他の果物とハーブのコラボも構想しています。また、観光農園も開園予定なので紀の川市に訪れる方も増やしていければと思います。

米田:フルーツが有名な紀の川市での新たなブランド認定商品となりますが、フルーツや果樹農家とのコラボレーションだけでなく地域の飲食店とも新商品を作ったり、道の駅などの観光地でも香りをテーマにしたイベントを行ったり、フルーツの香りに加えてハーブも香る場所として、そして新たなことにチャレンジできる紀の川市という魅力を出していきたいです。


−−来年度以降「Local Co-Creation Project」に参加される方に一言メッセージをお願いします。

清水:AIがデザインをできる時代がきています。その時代のなかでデザイナーが求められるのは、造形表現だけでなく、ビジネス全体をデザインできるスキルです。普段デザイナーが受発注するような案件では体験できない、事業者と一心同体となってビジネスをデザインする経験は、これからのデザイナーにとって貴重です。自分のデザインスキルを拡張するために、ぜひチャレンジしましょう!

米田:新商品開発は生産現場とは全く違う世界になりますが、この第一歩は生産者全員にある機会だと思います。当園へはこの共創プロジェクトが背中をひと押しをしてくれました。皆さんも一人ではなく、色んな方々と一緒に地域の抱える悩みや地域の特色を農園の強みとかけ合わせて商品化を考えてみませんか?


−−最優秀賞受賞本当におめでとうございます!これから商品化に向けて頑張ってください!ありがとうございました。

 

 

編集:株式会社MISO SOUP 木村幸樹

一覧へ戻る