2021年11月20日〜22日に「共創キャンプ」を実施しました。
共創キャンプでは、全国から選抜されたクリエイターが紀の川市に訪れ、生産者を理解するためのフィールドワーク、紀の川市の観光資源の視察等を行い、地域の魅力を発見したり生産者の課題を感じたりしながら、商品アイデアを磨いていきました。
チームの枠を超えて、生産者とクリエイターの活発な意見交換もあり、新しい考えや視点など多くの学びと気づきがあったと感じています。
最終日には生産者とクリエイターの4ペアが、共創キャンプを通して検討した方向性についての商品アイデアの発表会を行いました。
加工商品開発コンテストに向けてとても良い刺激を受けた有意義な共創キャンプであったと考えています。
今回、3日間の流れとともに、キャンプの様子をご紹介したいと思います。
1日目の日程は以下の通りです。
・生産者によるクリエイターお迎え
・オープニングセレモニー
・昼食(こかわやのお弁当)
・米もと農園のフィールドワーク
・八旗農園のフィールドワーク
・かたやま農園のフィールドワーク
・ダイマル農園のフィールドワーク
初日、全国のクリエイターが和歌山県紀の川市に集結し、生産者と初対面しました。これから生産者×クリエイターによる「共創キャンプ」が始まります。
オープニングセレモニーでは、3日間の流れの確認や、この共創キャンプを行う意義についてを再確認しました。
1日目の昼食は「こかわや」のお弁当を皆さんで食べました。
初対面で緊張気味だった距離感が、チームで昼食を取りながら談笑する事で縮まりました。
フィールドワーク1箇所目は、10種類以上のハーブを生産する米もと農園です。
米もと農園の生産に対する考えや思いの説明を聞きながら、ローズマリーやカルダモンなどのハーブの良い香りが漂う農園で、実際に手に取りハーブへの理解を深めました。
その後、研究室へ移動し、ハーブから抽出した液体調味料の製造工程の説明を受けました。
抽出したハーブ調味料を実際に試食し、新商品アイデアを膨らませていました。
視察2箇所目は、あら川の桃という地域ブランドのある地域で、桃やキウイを生産から加工販売までをしている八旗農園です。
キウイ畑の急傾斜に皆さん驚きながら、実際にキウイを収穫して生産現場を体感していました。
その後、加工場に移動し、キウイピューレの製造工程の説明を聞き、実際に試食し様々な意見交換をしました。
フィールドワーク3箇所目は、黒米は農薬と肥料不使用、生産にこだわりを持ち高品質な産品を生産するかたやま農園です。
黒米を作っている田んぼに訪れ、無農薬栽培をしている背景や、なぜわざわざ乾燥機を使わず手間のかかるはぜ掛けにするのかと言った説明を聞きました。
その後、黒米を使ったおにぎりと、配合比率の違う2種類の黒米餃子の試作品を食べ比べ、商品イメージの活発な意見交換がありました。
フィールドワーク4箇所目は、ゴマや豆などの穀物とみかんなどの柑橘類を数種類作るダイマル農園です。
自慢のみかん畑を見学し、そこから見える景色とみかんの美味しさに皆さん驚いていました。
その後、テストキッチンへ移り、試作した数種類のお菓子を試食しました。生産者が想像していた感想や反応と違ったり、新しい切り口での感想を聞けた事で多くの気づきと学びがありました。
共創キャンプ1日目は、生産者を理解するためのフィールドワークをメインに行いました。
フィールドワークを終えてみて、クリエイターの皆さんの感想を一部ご紹介いたします。
・文字や写真で事前に情報は知っていたが、実際に農園に訪れてみないと分からない事が多くフィールドワークをして本当に良かったと感じている。
・商品イメージをある程度考えながらこの共創キャンプに参加したが、実際に農園を訪れて考え方が大きく変わった。もっと生産者の思い部分から商品設計をしなければならないと大きな気づきと学びがあった。
・紀の川市にはこれだけレベルの高い生産者が多いのだと感心した。クリエイターとしてモチベーションが上がったとともに、良い商品開発をしていきたいと思った。
・現地に訪れた事で今まで自分は知っているようで何も知らなかったんだと気付かされた。同時に、クリエイターと生産者のギャップがあるとも感じたので、そのズレが合致すると各地域で良い商品が生まれる気がした。
クリエイターの皆さんからは総じて、現地を訪れて本当に良かった。現地を訪れたからこそ気付かされたもの、感じた価値観があった。との感想をいただきました。
商品アイデアをブラッシュアップするためにもこのフィールドワークは重要だったと感じています。
2日目の日程は以下の通りです。
・JA紀の里 めっけもん市場の視察
・藤桃庵の視察
・粉河寺の視察
・昼食(力寿司)
・クリエイションタイム
共創キャンプ2日目の最初は、和歌山県紀の川市にある全国でも有数の大きな直売所である、JA紀の里めっけもん広場を視察しました。
店長から説明を受けた後に、実際にめっけもん広場を各チームでまわりました。
地元の旬の美味しい地場産野菜や果物を豊富に取り揃えており、どんな商品が並べられているのか見て聞いて感じていました。
どのような商品が売れ筋なのか、県外から買いに来る理由、商品が置かれる可能性がある周辺施設を知るための視察でした。
大行列ができるほど人気のパフェ・ジェラート店をやっている桃農家「藤桃庵」さんを訪れました。
和歌山県紀の川市は1年を通じて、様々な果物が収穫されます。藤桃庵ではその旬の果物をさらに美味しく楽しめるパフェやジェラートを提供しています。
なぜお店を始めたか、お店に来るお客様はどんな方が多いかなどの説明を受けた後に、実際にフルーツパフェを食べてみて、そのクオリティーの高さに皆さん驚いていました。自分の住んでいる地域でも展開してほしい、東京にも早く出してほしい、といった感想もありました。
地域の歴史に触れ成り立ちを理解することや、観光客は普段どういったところを見て回り、帰りにはどういうお土産を買っていくのか把握するために粉河寺を視察しました。
商品が置かれる可能性がある観光施設の周辺の店舗環境を見るための視察でした。
粉河寺の近くにある寿司店「力寿司」で昼食を食べました。紀の川市名産のフルーツを寿司でも楽しんで欲しいと、ネタにいちじくや柿を使ったフルーツ寿司を提供しています。
皆さん驚きつつも、絶妙なバランスの取れたフルーツ寿司を楽しんでいました。
紀の川市役所に戻り、生産者とクリエイターによるクリエイションを行いました。
13時〜20時までの7時間があっという間に過ぎたとの意見が多く、とても充実した時間をお互いに過ごすことができました。
クリエイションタイムの最後には各チームで進捗の発表を行い、それぞれ意見交換を行いました。
生産者とクリエイター全員で「共創」することで、新しい気づきや学びが多くありました。
2日目はクリエイションタイムがメインでした。また、販売先や展開イメージを持つために紀の川市の産直所やお店を周りました。
フィールドワークや視察などの交流を事前に行ったことで地域の理解とクリエイターと生産者の関係が深くなっていました。
そのため、クリエイションタイムでは、最初から活発な意見が飛び交い、質の高い意見交換や商品アイデアのブラッシュアップが出来ていました。
また、最後に各チームから進捗を発表してもらい、アウトプットとフィードバックを貰うことでより思考が整理され、より良い商品アイデアイメージが湧いていました。
加工開発コンテストではライバルになるものの、クリエイター、生産者全員が、紀の川市の魅力を最大限に活かした良い商品を作り上げたいという思いが強く伝わってきました。
まさに共創する事で起きた良い化学変化だと嬉しく感じています。
3日目の日程は以下の通りです。
・クリエイションタイム
・アイデア発表会
3日目の午前中は2日目に引き続き、クリエイションを行いました。
アイデア発表会やその後の加工商品開発コンテストに向けて、今後の打ち合わせのスケジュールの調整などをメインに各チーム行っていました。
3日間のまとめとして、アイデア発表会を行い進捗の報告を実施しました。
どのチームも短期間でまとめたとは思えないほどのクオリティーの発表内容で、コンテストに向けて商品アイデアをブラッシュアップが出来ていたように感じました。
会場でも積極的に意見が飛び交うなど、終始盛り上がりを見せた発表会でした。
西田部長からは、「3日間でこれだけクオリティーの高い商品アイデアが出来てきたのは大変素晴らしいと感じています。今から加工商品開発コンテストが非常に楽しみです。フルーツが有名な紀の川市ですが、加工品開発を通してさらに地域が活性化するのを楽しみにしています。」という講評をいただきました。
3日間という短期間の間に質の高い商品ブラッシュアップが出来たのは、クリエイターの実力は去ることながら、フィールドワークを実施し生産者とクリエイターが理解を深められたことが大きな要因だと感じています。
今回の共創キャンプの感想を生産者とクリエイターにお聞きすると、皆さん本当に充実して面白かった、あっという間だったというお言葉をいただきました。
これは、フィールドワーク、クリエイションを通して、お互いが理解を深められたからこそ出てきた本心だと感じています。
どちらかだけが創るのではなく、「共に創りあげる」からこそ活発な議論ができ、地域性が盛り込まれた良い商品アイデアが出てきたのではないかと考えています。
このように自分だけではなく、地域全体で盛り上がれる良い循環を作る事が、ひいては地域課題の解決につながっていくと考えております。
次回は2022年2月12日の加工商品開発コンテストです。
入賞作品が決定し実際に商品化を行い、来期に紀の川市の認定ブランド第一弾として販売されます。
随時コンテンツとSNSを更新予定ですので、皆さんぜひ楽しみにご覧ください。
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