LOCAL CO-CREATION PROJECT in 紀の川

NEWS/
CONTENTSお知らせ

ニュース コンテンツ メディア関係者はこちら

【最優秀賞受賞者インタビュー】商品に込めるのは「紀の川の旬」と「黒米の魅力」を届けたい思い 〜かたやま農園〜

Local Co-Creation Project in 紀の川では、加工商品開発コンテストにて生産者とクリエイターによる4チームの中から2チームが選出され、実際に加工商品開発へと進みます。(加工商品開発コンテストに参加した4チームは、生産者応募総数14名、クリエイター応募総数75名の中から選出されています。)

最優秀賞受賞商品の「季節の変わりしゅうまい 紀の川黒米包み」は、黒米で紀の川の春夏秋冬の味を包む変わりしゅうまいというコンセプトの提案でした。
審査員の方からは「地域特性をとても豊かに表現している」「試行錯誤のプロセスがよく伝わり、その中からこのチームなら素晴らしいものを作り続け、地域のファンを作り続けられるまさに紀の川ブランドにふさわしい商品企画だと感じた」といった高い評価を得ています。
今回は、加工商品開発コンテストにて見事に最優秀賞を受賞されたかたやま農園の片山篤さん、クリエイターの石本香緒理さんにインタビューを行い、受賞の喜びや商品開発時の裏話などに触れながら、今後の商品化に向けての展望などをお聞きしました。

 

 

−−当初は黒米皮を使用した餃子の開発で進めていたと思うのですが、どういった経緯でしゅうまいになったのでしょうか。

石本:黒米の風味やもちもち食感をもっと全面に打ち出す。その目的達成のために、皮の黒米粉の割合を20%、50%…など変えて試作を繰り返しましたが、なかなか納得いかず…。そこで、一度、究極的に黒米を全面に打ち出すやり方を自由に考えてみました。辿り着いたのは、粉ではなく、米粒そのままを皮にすること。イメージに近いのは「変わりしゅうまい」だと考え、黒米で肉餡を包み、蒸して、みんなで試食。すると、黒米のもちプチ食感、風味、香りをしっかり感じることができ、おいしさと見た目のユニークさから、路線変更を決定しました。

 

−−受賞商品「季節の変わりしゅうまい 紀の川黒米包み」の着想はどういったところにありましたか。

石本:黒米皮餃子の開発時に「餃子=包む」ということに着想を得ました。「包む」というのは、大地のパワーの結晶である片山さんの黒米だからできることだと思いました。そして、地域のたくさんの方々とネットワークをもつ片山さんらしさを活かして、地域のみんなで盛り上げていく商品を目指し、中の餡には季節の旬の地もの野菜(無農薬)と地ものの肉を使うことにしました。しゅうまいに路線変更する際も、変えることなく一番大切にした点です。

 

 

−−事務局のサポートが入る事で打ち合わせを進める際にプラスに働いた部分はありますか。

石本:今回のプロジェクトは、アイデアや理想だけでは不十分で、それをいかに実現し、ビジネスとして持続可能にするかということを随時リマインドしてもらえ、右脳と左脳を行き来しながら進めることができました。 チームメンバーでありながら一歩離れた視点で疑問や質問をぶつけてもらえ、よりよく、より深く考えるきっかけを何度ももらいました。

片山:色々な事例や経験をお聞きできたことや、考え方の部分ですごくプラスになることがありました。

 

 

−−今回初めて企画から商品化までの一連の流れに携わった訳ですが、実はここが一番大変だったという今だから話せる苦労話はありますか

石本:製造工場や輸送などイチから仲間集めをしていったことと、クオリティとコストの計算です。前者は草の根活動で大変でしたが、今までつながりがなかった業界の方々とのつながりが生まれ、新しい知識や感覚をもらえています。後者は、とにかくお金の計算が大変だったのですが、一方で、理想が現実になっていく感覚が楽しかったです。


−−
最優秀賞を受賞された時はどんな気持ちでしたか。

石本:本当にホッとしました。片山さんをはじめ、チームのみんなや協力者のみなさんの努力に報いることができたので、ひと安心でした。

片山:大変感動して嬉しかったです。 ただ、これからが本番だという身が引き締まる思いでした。

 

 

−−コンテストの審査員からのコメントで印象に残っている言葉はありますか。

石本:地に足ついた力強い企画という言葉がうれしかったです。地域のみんなをひとつにできるプロジェクトとして昇華していってほしい、という言葉に身が引き締まり、これからの道標となりました。

 

 

−−コンテストに向けての取り組みの中で、新たな気づきや学びはありましたか。

石本:「素人」であることの大切さを学びました。商品開発において素人だったからこそ、固定概念や業界の常識に囚われることなく、目的達成に向けて自由な発想で考え、妥協することなく実現に向かって走ることができたんだと思います。その感覚は、これからも大切にしていきたいです。

片山:石本さん、安藤さん、まゆみさんの優秀なクリエイターの方々と一緒に仕事ができて良かったです。そしてものづくりの大変さを改めて実感しました。自分ひとりでは出来ることに限りがありますが、周りのサポートを得ながら、チームとして動くことが今回のような素晴らしい商品づくりに繋がるんだなと気づかされました。


−−来年度の発売に向けてこれから商品化を進めていきますが、意気込みをお願いします。

石本:長く愛され続ける商品、みんなが関わりたくなるプロジェクトを目指して、一歩一歩着実にやるべきことを積み重ねていきたいです。

片山:焦らず騒がず、皆様の力を結集できるように力を尽くしていきたいです。

 

 

−−紀の川市の第一弾加工商品ブランドに認定されて販売されますが、商品を通して紀の川市のどんな魅力を伝えていきたいですか。

石本:紀の川市の食べ物のおいしさや魅力はもちろんですが、新しいことにチャレンジし、もっと良くしようと努力しつづける地域と人の魂を伝え、体現していきたいです。

片山:素朴ですが心に響く、自然とともにある紀の川市の魅力を伝えていきたいです。


−−最後に、来年度以降「Local Co-Creation Project」に参加される方に一言メッセージをお願いします。

石本:生産者さんや地域のみなさんといっしょに生み出し、育てていく、かけがえのない体験がここにはあります。0→1、1→10、10→100すべてが詰まっています。魂で仕事がしたい、と思っている方には特にぴったりなプロジェクトだと思います。

片山:ペアのクリエイターさんと共に、どんどん新しいことにチャレンジして良い商品づくりをしていただけたらと思います。

 

−−最優秀賞受賞、本当におめでとうございます!ありがとうございました。

 

 

編集:株式会社MISO SOUP 木村幸樹

一覧へ戻る